九州作業療法学会2021in熊本
学会長 内田 正剛
コロナ禍になる前から少子高齢社会における人口構造の変化やIT化における情報社会への移行が加速している社会背景にありました。またその背景は、生活困窮や格差社会等もあり、教育、就労・働き方、家族構成等、様々な分野で社会環境との適応が問われ、個人の価値判断から“暮らし方(作業)”に変化が出始めた状況にあったと思います。
作業療法とは、「健康と幸福」「生活行為」「目的と価値」を考慮した対象者の「作業(活動と参加)」を保証することです。またその作業遂行は、作業療法の専門分野である発達、精神、身障、高齢の各領域共に“人と作業と環境”の兼ね合い(調和:ハーモニー)によって決まります。如何に、それぞれを分析し、調整・工夫するのか?作業療法士に問われております。これは、コロナ禍でも同様となります。
目指す姿は「地域共生社会」であります。制度・分野ごとの関係性を越え、地域住民も主体的に参画し、人と人、人と資源が世代や分野を越えてつながる社会です。そのためには、一人ひとりの生きがいある暮らしと、地域の特色と活性化をともに創っていくこと「共創」が必要となります。
今回の学会テーマは、「響創」~作業療法が奏でる人・作業・環境のハーモニー~としました。来るべき社会へ、各分野が共創する令和(外務省訳:Beautiful Harmony)時代に“人と作業と環境”のハーモニーを響かせ、新しい暮らしを創ってほしいと願いを込め「響創」としております。
コロナ禍であるため本学会は、オンライン開催とします。新しい環境に新しい作業様式(スタイル)を準備しておりますので、皆様の積極的な参加という調和をお願い申し上げます。
本学会内に作業療法の奏でるハーモニーが響き渡ることを期待しております。